はじめに
水没する道路、あっさり運休になる列車、当然存在しないバス…脆弱な交通網はときに身の危険を感じさせる。
突然の運休、無人駅に放りだされる旅行者
事の始まりは7月、仕事で脳を溶かした雨宮がどうせ地方移住するならド田舎だよね!と飯田線沿線のゲストハウスを訪問したことだ。今思えば車もないバイクの免許も持っていない人間の田舎暮らしは無謀にもほどがある。
(普通二輪の合宿免許を延長しまくった挙句、病院送りになった奴は田舎に移住したらダメ) ama318.net
さらに脳みそがフットーしてたのか、高速バスから下車する場所を完全に間違える。その名は中央道川岸。
このとき利用した東京〜長野間のバスは、停留所がJR駅から遠く、最大で20分近く歩く必要がある。そこで一番歩かなくてすむ場所を選択した結果がこれだ。
なにもないやんけ。
駅は当然無人駅。
さて、私は到着した時点で相当疲弊していた。理由は大きく2つある。
- 高速バスの停留所からJR川岸駅までの道路状態が悪すぎた。
- JR飯田線が消滅した。
まずひとつ目、中央道川岸(停留所)から川岸駅までのマップを見てほしい。
楽そうに見えるが本ルートには
- 地下通路への上り&下り坂
- 水路上に足場を組んで作った地下通路
が含まれており、罠でしかない。(利用の際は、多少歩くが中央道辰野で下車すると良いだろう。)
次にふたつ目、高速バスにて移動中に飯田線が運休になったのだ。となれば最新の情報が欲しくなるが、悲しいかな、無人駅である川岸駅にて運行状況を知る手段はない。頼りになるのはJR東海の公式サイトのみ。
こうして、何も知らない素人が運休?の過疎無人駅においていかれた。パニックである。(※川岸駅は中央本線であり、飯田線ではない。でも混乱しているとわからなくなるよね。)
川岸駅:駅寝っとは非推奨
さてパニックになった雨宮は、川岸駅で寝泊まりできないか本気で考えた。ありがたいことに川岸駅には待合室がある。無人駅ではあるが駅舎自体はきれいなので、一晩なら耐えられそう。
と思ったが待合室にエアコンがない!30分もいたら茹で上がってしまいそうだ。光熱費も馬鹿にならないこの日頃、無人駅にクーラーを設置できないのは当たり前の話。駅寝っとは諦めよう。
蒸しサウナ状態の待合室からホームに移動。厚い雲と朝まで続いた雨のお陰で外は結構涼しい。飯田線が消えたのも雨のせいなのだが、人間サイドの問題なのでお天道様は悪くない。
誰もいないホームでワタワタしていると、突然列車の到着を知らせる音声が聞こえた。
「ホームに豊橋行きの列車が参ります」
おかしい、JR東海Webサイトの情報だと飯田線はまだ運休のはずだ。(※豊橋駅は飯田線の南方の終着駅、北側は辰野駅)しかし川岸駅に居ては何も始まらない。とりあえず移動しよう。
やってきた列車に乗り一息つく。しかし、現代人は文明に頼り切っているなあ…なんて高尚なことを考える暇はなかった。
辰野駅:本当は飯田線の発着駅
「次は終点、辰野です。」
無人駅の音声は実に当てにならない。豊橋行きというアナウンスはただのプログラムだ。
私はまたも行き場を失った。
回送列車として帰還する飯田線を見送り、改札を出る。
辰野駅は有人駅なので、最新情報が掲示される。
色々書かれているが要は「飯田線は走らないよ」「松本にも行けないよ」。松本まで行ければネカフェで一晩過ごせると思ったが、その選択肢も取れなさそうだ。
駅前には私と同じく行き場を失った人たちがいる。飯田線だけでなく、松本方面に行く列車も消えたからだろう。ちなみにバスはない(少なくとも私が行きたい方面には)。
駅員さんにも確認を取ったが、運転再開予定は夜19時以降だった。万事休す!(実際にはもう少し早めに復旧したようです。)
結局、自分の力では解決ならず、ゲストハウスの方に迎えに来てもらった。ためらう気持ちもあったけど、完全に行き場を失ったので仕方がない。
おわりに
運がよかったのか悪かったのか…。
最終的に、ゲストハウスの方に迎えに来てもらい事なきを得た。一方で、高速バス乗車前に運休が発表されていれば、旅程をキャンセルするだけでよかった。
公共交通機関は気軽で便利だけど、国内でも場所によっては運休もそれなりにある。とくに海沿い山間部を走る路線は天候の影響を受けやすい。(飯田線は一定以上の降水で運休になる)嵐が来ても元気な新京成線を当たり前だと思ってはいけない。
そんなあたり前のことを実感した。
地方移住をするなら車は必須だし、公共交通機関に頼らない生活スタイルを構築しないといけない。
以上雨宮でした。
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