あまみや乗り物大好き部

電車、フェリー、バスetc...乗り物好きの一人旅ブログです。節約や地方移住にも興味津々。

コスパ抜群の名門大洋フェリー、5800円で九州から大阪へ

名門大洋フェリーは門司港(福岡県北九州市)と大阪南港(大阪府大阪市)を結ぶフェリーで、所要時間は約13時間となっている。

なんといっても最大の特徴はその安さで、徒歩・バイク・乗用車のいずれの場合でも格安プランが存在する(2023年12月現在)。

また需要の多さゆえか毎日2隻が運航されており、瀬戸内海を通るため揺れも比較的穏やか。

上記のことからフェリー初心者におすすめしたい名門大洋フェリー。今回は乗船記録とともにその魅力について書いていこう。

カモメがトレードマーク

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乗船までの流れ~予約から移動まで~

圧倒的に便利でお得なWeb予約

今回利用したのは新門司港発の第二便『フェリーふくおか』(19:50発)、徒歩乗船のツーリストである。※この記事は第一便には当てはまらない点もある(船の設備が異なる)ので注意。



まずフェリーに乗るには事前の予約が必要になる。名門大洋フェリーの場合は公式からのWeb予約が圧倒的にお得なので、これを活用する。

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今回は徒歩乗船ということで上記リンクの『おてがるフェリー』を使用。第二便のツーリストで5800円と驚きの価格になる。

割引プランは条件さえ満たしていれば、Web予約の時に選択することができる。注意点としては予約が7日前までになることと、予約後の変更に制限がかかることである。そして取消料も他の場合に比べ高くなる。

 

徒歩乗船では必須のシャトルバス

往復する大阪南港と新門司港のうち、前者は大変交通の便が良いところにある。フェリーターミナルがなんと大阪メトロ(ニュートラム)に直結しており、駅名もズバリ『フェリーターミナル駅』。案内看板もあるので迷わずに駅まで向かえる。

ニュートラムは無人運転なので、運転席が展望席となっている。

一方の新門司港、こちらは公共交通機関で行くのは厳しい。フェリーの予約時にシャトルバス(無料)の申し込みができるので、ありがたく使わせてもらおう。その際は他社さんのバスと間違えないように気を付けること(運転手さん曰くたまに阪九フェリーの方が乗ってしまうとか)。

GoogleMapより引用、シャトルバスは小倉駅⇒門司駅⇒FTと向かう

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シャトルバスに乗りFTに到着後は、乗船口にダッシュ!

...走る必要はないけれどゆっくり記念撮影をする時間もない。悲しいかな、徒歩客の乗船は30分前までとされているが、バスの到着もちょうど30分前なのだ。

Web予約ではQRコードが発行されるため、窓口での受付は不要。列に並ばなくていいのは本当に楽である。けれども時間はやっぱりない。

そんなこともあり、シャトルバス乗車~フェリー乗船の間は一枚も写真を撮ることができなかった。まことに残念である。もうちょっと余裕もって運航してくれたらいいんだけどなあ...

 

船内設備紹介~安いけど必要十分~

一人旅ならツーリスト、お部屋選びはお早めに

今回は『ツーリスト』の隅部屋にて一泊(自分のスペースにはすでに荷物を置いていたので、空きスペースを撮影させてもらいました...)。

 

名門大洋フェリーでは予約時に部屋のグレードだけではなく、部屋の位置も指定することができる。

 

最奥を確保することで(上画像では20番及び10番、部屋により異なる)と通路が丸ごと自分のスペースになる。スーツケースを広げても他の人の迷惑にならないのは本当に助かった。

二カ月前から予約開始になるので、予定が決まり次第サクッと申し込んでしまおう。割引プランでも変更可能なので勢い余っても大丈夫。飛行機とは違うんだよ飛行機とは。

 

 

寝具は枕は薄めマットは固めなので、ふかふかじゃないと眠れない人は注意。

ハンガーは各スペースに2つついているけど、天井が低いのでコート掛けには使えない。

 

コインロッカーは有料(=何回も出し入れできない)ので、寝るときはこの棚に貴重品を置いていた。結構奥行きがあるのでコートや鞄をおいても余裕がある。

 

鞄をキャビン内に置くのは危なくない?と言われそうだが、ありがたいことに中からロックできるのだ(左右一個ずつ)。これだけでも安心感が全然違うし熟睡もできる。

 

またこの仕切りは遮光性の高いものとなっている。室内が明るくてもカーテンを下ろしてしまえば、隙間からほんの少しの光が入るだけ。これだけでも名門大洋フェリーのツーリストは素晴らしいと思う。

なおキャビン同士が隣接していることもあり、音は結構響く。深夜帯に必要な飲み水や翌日の服は予め鞄から出しておくことを推奨する。また場合によっては耳栓が必要かもしれない。


充実のパブリックスペース、座席数は十分

格安すぎて設備ボロいんじゃない?と思われそうだけど、そんなことはない。ここからは各種設備を紹介していこう。

クリスマス仕様のロビー

 

フェリーにおいて最重要かもしれない自販機コーナー。ジュース、アイス、お酒、カップ麺とより取り見取りである。

フェリーの例にもれずお値段は少し高くなっていたので、気になるなら予めスーパーで調達しよう。小倉駅でも大阪南港でも買う場所には困らないはずだ。なおセブンティーンアイスはエイティーンアイス、つまり180円になっていた。

飲酒運転防止の観点から、お酒の販売時間は制限付き

 

カップヌードル自販機の下に割りばしがある

 

また、以前調べた時『名門大洋フェリーのお湯はぬるくて、カップ麺が固くなる』とあいう評判を複数見かけた。

多少不安であったけど、今回持ち込んだカップ麺2つで試したところ美味しくいただけた。上写真の給湯器を使ったのだが98度ということもあり、カップ麺の湯戻しには十分だった。少し前までこのマシンが無かったのかもしれない。

 

入浴スペースは男女ともに混雑具合が表示されている。この日は平日だったこともあり、一番混むであろう乗船直後でも10人程度だった。この表示が正しいかは怪しいけれども。

風呂自体はごく普通の銭湯。しかし船上で入れるのであれば十分贅沢であるし、洗い場の数が多いため待ち時間が生じることもないはず。今回は利用しなかったけどシャワールームが別にあるので、営業時間外ならそちらを使おう。

 

座席難民を作らない、選べるフリースペース

フェリーで一人旅をするとき、気になるのは何といってもフリースペースの量。個人のスペースがベット一つ分しかないので、大半の時間を外で過ごすことになる。もちろん食事も外で済ませることになるので、座席が少ないと食事難民になりかねない。

その点名門大洋フェリーの『フェリーふくおか』には様々な座席が用意されており安心できる。一つずつ紹介いこう。

 

まず『フェリーふくおか』では室内にも展望スペースが用意されている。この部屋は他の比べかなり照明が暗くなっており、他スペースと比べるとゆったりとした時間が流れている。ソファーには小さなテーブルが設けられているため、ここで食事をとる人もいた。

 

小さいテーブルだけど、ひとりで食事をするなら十分

 

外を見ていても楽しくない!という方の為にTVラウンジが用意されている。ここ以外にももう一つあったはず。自分は全くTVを見ないのでこの椅子の座り心地に関しては不明デス。

昔はクジラ肉が当たり前のように給食に出たそうですね

 

大きなテーブルが欲しい人には、外を見ながら作業ができるカウンター。反対側には4人掛けのテーブルもありグループ旅行でも楽しく食事ができる。

フリースペースの中では一番汎用性のある座席なので、朝になるとほとんど埋まっていた。

この座席の注意点としては、テーブルがつるつるしていることである。瀬戸内海とはいえ船である以上多少の揺れや傾きがある。それなのに摩擦係数の低いものを上に置くとどうなるか...そう、滑り落ちてしまうのである。

蓋のない飲み物・食品が落下すると本当に参事になるので気を付けましょう!本当に!

席をとるなら、羽織もの推奨

 

折角だし外に出よう、展望デッキ

展望デッキはどの船でも同じでしょ!と言われそうだけど、折角なので書いていく。

明石海峡大橋を通過中

瀬戸内海を通るこのフェリーでは三大架橋を真下から楽しむことができる。展望デッキは風が強いので誰でも気軽に楽しめるものではないけど、明るい時間帯に挑戦してみてほしい。

今回は朝7時過ぎに通過した『名門海峡大橋』だけ見ることができたのだけど(夜間はあいにくの雨だった)、これが実に圧巻。夜ならライトアップもされているだろうし、今度瀬戸内海を運航するフェリーに乗船した際は他の橋も見に行きたい。

 

汽笛が鳴り、横を見るとジャンボフェリーがいた

船に乗る際は避難経路を確認しておきたい

 

ネットの利用も可能、ただし制限付き

瀬戸内海を通る本フェリーでは、陸上からの4G回線を拾うことができる。さらにFreeWi-Fiも提供されており、一回30分一日三回の制限付きで利用することができる。

このWi-Fiの回線速度は朝6:30で平均8.3Mbps、早くはないが陸から離れていることを考えれば十分な速度である。

 

個人の端末から船の現在位置を確認できる

 

御船印がかっこいい

完全にマニアックな話になるが、フェリーには御朱印ならぬ御船印(ごせんいん)が存在する。長距離フェリーから記念船まで参加しているが、詳細は各自調べてほしい。

そしてこの名門大洋フェリー『フェリーふくおか』の御船印がこれまたかっこいい。船が印刷された和紙風の紙に金色で『フェリーふくおか』、銀色で『名門大洋フェリー』と箔押しされている。さらに日付はその場で手書き(加工で削除してます)

500円と少々お高いが、船マニアなら十分価値のある代物。



御船印は売店で購入可能、営業時間に注意

 

ちょっと気になる?注意ポイント

お得で快適な名門大洋フェリーだけど、覚えておいた方がいい点もある。

1,船内の娯楽は各自用意

世の中にはプラネタリウム、プロジェクションマッピング、ラウンジショー等の豪華な催し物があるフェリーが存在する。他にジムやカラオケといった娯楽が充実している船もある。

名門大洋フェリーにはこれらのものはない。暇をつぶせるものは各自持ち込もう。

 

2,修学旅行とブッキングする

名門大洋フェリーは修学旅行でよく使われる(らしい)ので、学生さんとご一緒することになる。といってもマンモス校の修学旅行でもない限り、旅客に対する学生の割合は微々たるもの、気にすることはないと思う。

実際今回の乗船では学生の団体さんを見かけたけれど、彼らはファースト(複数人客用の部屋)に滞在しているようで関わることはほとんどなかった。また乗船後すぐに入浴した時は学生らしき客は一人もいなかった。

下船前の待機中は閉店後のレストランスペースを使い、他の客とぶつからないように気を使われていた(先生お疲れ様です)。何なら一般客よりマナーいいのでは?とすら思えてくる。

どうしてもいやなら、予約の際に避けるしかない

3,コインロッカーは有料

言いがかりに近いけど、フェリーによっては無料なので一応追記。

貴重品用のロッカーは無料だけど、それ以外(通常のロッカーと冷凍品用)は有料となっている。スーツケースは鍵をかけて管理するのがベター。

 

格安でも優雅な旅を楽しめる、フェリーに乗ろう!

名門大洋フェリーの乗船記はこれで以上となる。個人的には大変満足のいく船旅となり、また乗りたいフェリーの一つになった。

フェリーというのは素晴らしい乗り物である一方、そのハードルはなかなか高い。

まず東日本発着のフェリーはほとんど運航していない(関西圏が羨ましい...)、飛行機や新幹線に比べ時間が倍以上かかる(60km/h出せたら超早い)、公共交通機関ではアクセスできない港が存在する(そりゃ港だもん)。

が、そのハードルを越えて一度乗ってみてほしい。他の乗り物では得られない体験がそこにある。

その最初の一歩として、自分はこの名門大洋フェリーをお勧めしたい。

 

ここまで読んでくださりありがとうございました。