長崎市は人口約40万人の地方都市。
小さくて辺鄙なところにある長崎空港からバスで揺られること約40分、大量の車が行き交うせわしない市内に到着する。
少ない平地に人が密集するからか、この町のバスはハチャメチャに忙しい。扉が閉まる前に発車するし、駅前のバス停では6台のバスが詰まったりする。
そんな密度の高い町『長崎市』でこれまた大量に行き交う路面電車『長崎電気軌道』を語りたい。
明らかにバス停が足りてない『長崎バス・長崎県営バス』については下の記事にて
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長崎電気軌道とは?
長崎電気軌道株式会社が運営する、長崎市内を走る路面電車。
出島、グラバー園、長崎原爆資料館、眼鏡橋といった長崎市内の観光名所を大体網羅しており、観光客の強い味方である。
長崎市の観光をしたいのであれば、まずは手元のスマホにて一日乗車券を購入しよう(要アプリDL)。価格は600円。一回の乗車につき均一運賃140円なので4回乗れば元が取れる。紙の方がいい人も観光案内所やホテル、停留所等々様々なところで買える安心仕様。
車内は混雑しているが次の電車もすぐに来るので一本待てばよい。下の写真のように古い車両(中には昭和20年代の代物も!)がいまだに現役だが、中身はハイテクで空調も快適である。全国相互利用交通系ICカード(SuicaとかICOCAとか)も使えるので小銭不要。便利of便利
稲佐山やペンギン水族館に行きたい人は、その時だけバスに乗ればよい。全バスがICカード対応なので、あらかじめチャージしておこう。
レトロ...ではなく実際古い車両たち
路面電車の軌道沿いを歩いていると、如何にも古そうな金属の塊から、バリアフリー感ある四角い代物まで実に様々な車両を見かける。それらの車体には『364』とか『1202』といった番号が振られている。いわゆる車両形式だ。
下の写真はとある電車内で撮影したもの、少し読みづらいが『製造 S28年12月』と書かれている。最初見た時は『ふーんS28ね...』と軽く流してしまった。普段路面電車がない地域にいると、70年前の車両が現役なんて到底考えられないのだ。
この車両が特別古いわけではなく、長崎市内では他にも昭和な車両が縦横無尽に走り回っている。
これらの車両はレトロな見た目と裏腹に、中身は近代へと改修されている。ここからは下の504形式の内装を見ていこう。
これは上の504形式の運転席周辺である。ICカード対応の精算機、液晶パネルの行き先案内版が確認できる。観光客としてはありがたい限りだ。
運転席だけではなく、中央の扉にもICカードの受信機が付いている。乗車時も降車時も忘れずにタッチをしよう。
個人的には後付け感あふれる配線(受信機の上方向に延びている白いカバー)のアンバランス感が好き。
全体を映すとこんな感じである。平日朝かつ始発駅ということもあり、奇跡的に人がいない状態で撮影できた。長崎電気軌道は基本的に混雑しているのでかなり運がいい。
座席は古さを感じるものの座り心地に問題はない。こちらもメンテナンスされているものと思われる。
監視カメラか?と思いきやドライブレコーダーということで運転席についているものと思われる。長崎市内に限らず路面電車との事故はまあまあ起きているので、これは自家用車やバイクに対する呼びかけなのだろう。
他にもイベント車両やバリアフリー車両など、新旧様々な車両が運行されている。詳しくは公式サイトの車両案内を見てほしい。
歩道橋から見る長崎電気軌道
長崎駅前は国道202号が通っており、交通量が大変多くなっている。それ故横断するときは歩道橋を通る必要がある。
この歩道橋は路面電車を見る際には絶好のスポットとなる。まずは路面電車の電停に行くための歩道橋から道路を観察しよう。
これは長崎駅前のどうしようもない交差点である。
写真の右側が長崎駅となっており、かつてはここを右折するのがとてつもなく難しかったという。現在は長崎駅前の工事により進入禁止となった。
右折が可能だったころについては、動画を探せば結構出てくる。結構チャレンジャーが多いものだ。
写真の真ん中にある信号機は上と下で対象が異なる。上の黄色一色で『×』とか『↑』とか表示されているのが電気軌道用、下の緑色のものが普段よく見る車用である。
ここでは車も電気軌道もせわしなく動いているので、見ていて飽きない。たまに軌道内で停車してしまった車がいると、鬼のように警笛を鳴らされているのでかわいそうだった。
先ほどのごちゃごちゃした信号の反対側にも歩道橋があるので、今度はそちらから路面電車を観察する。長崎駅前電停から発着する路面電車がよく見える。
この電停は国道のど真ん中にあるため、他の電停のように横断歩道を使うことができない。それゆえ歩道橋必須というバリアfullな仕様となっていた。その乗り方を示したものが上記の写真である。
少し前まではエレベーター(緑の枠内)すらなかったようで、Webの記事となっていた。
2022年になってようやくエレベーターが導入されたようだ。それまでは横断歩道の駅まで遠出していたそうで、さぞかし大変だっただろう。
長崎駅前電停には電車が次々とやってくる。一つの駅に2台の電車が到着することもまあまああった。時刻表が『7~9分に一本』みたいな書かれ方されているので、そういうこともあるのだろう。
たまたま乗車中に直列で停車することがあった。車間距離をかなり詰めていて驚いたのだが、道路のど真ん中を通る関係上、隙間を開けると障害になるのでやむなしなのだろう。
長崎駅前電停の時刻表こんなんなんで...
そんな路面電車と仲良くやっていくためには、交通ルールを知っておくことが重要。宇都宮LRTの公式サイトにてわかりやすくまとめられているので、気が向いたら読んでほしい。
電停ギャラリー
蛍茶屋電停
3,4,5系統の終点駅となっている蛍茶屋電停。奥に見えるのは蛍茶屋車庫である。
これより先は長崎らしい急斜面となる。
石橋電停
5系統の終点となる石橋駅。グラバー園につながる斜行エレベーター、グラバースカイロードが近い。車庫は存在せず、線路の末端はぶつ切りとなっている。
出島電停
出島の目の前に設置された電停。長崎電気軌道って本当に一等地にばかりあるな...
長崎駅前電停を出発し国道を悠々と通過していたが、これより先は激狭区間となる。
道路の色からも分かるように、この軌道は車の乗り入れが許可されている場所である(じゃないと手前の車出れないからね!)
宝町電停
1,3号系統の途中駅で歩道橋必須の電停。周囲の道路は交通量が多いため横断歩道よりは理にかなっていると思われる(バリアfullではあるけども)。利用者は地元の通勤客等の模様。